マイコン回顧録 2 (数十年振りにひっばり出してみたら、思った以上に無茶苦茶してた件)

日立 MB-S1/40

MB-S1/40 正面.jpeg

基本仕様:
・CPU;モトローラ 68B09 2MHz
・メモリ;64KB
・グラフィック:80X25文字(640X400ドット)カラー
・5インチフロッピーディスクドライブ×2
・セントロニクス準拠プリンターインタフェース
・RSー232ーCシリアルインタフェース(コネクタは後から追加した)
・内蔵拡張インタフェース
日本語フォントカード
メーカー:日立

拡張:
・内蔵拡張インタフェース
拡張RAMカード(MPC-RA64S)
64KバイトのRAMカードだが、RAMの増設、付け替えをして、512Kバイトまで拡張していた模様。
ちゃんと機能していたか記憶はないが、つけっぱなしだったので、多分、動いていたと思われる。

拡張RAMカード.jpeg

68008 カード
見つけたので写真を追加。
IMG_9516.JPG
純正の拡張カードでは増設できるカードが3枚までだったので、もともと内蔵されていた漢字ROMカードと上述の拡張RAMカード、下記のI/O +RTCカードを付けるとそれだけで埋まってしまうため、68008カードはあまり使われなかった。
まあ、実は下記の写真にちらっとだけ写っているが、拡張カードも一応自作して4枚刺さるようにはしていたのだが、上蓋と干渉しそうなのと、電源が保つのかわからなかったので、常時、内臓にはしなかった。(多分)
一応、拡張SRAM+漢字ROM+RTC+MMU+IOのオールインワンカードを設計しようとしていたはずだが、設計図はどこに行ったか不明。(オールインワンといいつつ、一部機能は拡張カード側に収めるつもりだった気もするが)
スーパインポーズカード(未購入)
40MHDD(未購入)
マウス(未購入)

OS:
S1−OS(未購入)
OS9 (未購入)

超拡張:
・MPUを、63C09に差し替え。
HD63C09Eは、日立製のMPU。
たいていは、ソケットに差し替えるだけでよかったようなので、コアなユーザには流行った模様。
ただし、うちのS1は 直付けだったため、ハンダゴテとはんだ吸収器を駆使して取り外し、ソケットに取り替えた上で取り付けた。

”C”型番は3MHzまでクロックアップが可能だったが、MPUだけアップしても、他がついてこれなさそうなので、そこまでは、試していない。もし、4MHzまで可能ならMPU周りの動作の時だけ、倍クロックにしてなんとかなったかもしれない。
また、HD63C09Eには、日立製は隠し機能があって、色々楽しめたが、これもソフトが対応しないと意味がない。そもそも、改造する人は多くはないのでソフトが対応することもない。
これでやり過ぎたためか、モトローラからのライセンスを打ち切られ、日立製のMPUは独自のH8に移り、H16、H32、SHシリーズへ進化していった。
が、日立製のパソコンに使われることはなかったのは残念。 ちなみに、サターンとか、ドリームキャストに使われていた。

・グラフィックコントローラを、63CXXに差し替え。(XX部分は失念。”45″だったっけ?)
MPUの交換に合わせて、ついでに、交換してみた。取り付け方法は、MPUに同じ。
まあ、正直言って、ほぼ、意味がなかったが、クロックをアップすることができていれば、役にたったかもしれない。

・MMUを内蔵
S1活用研究に乗っていた回路図を参考に、手製のMMUを組み込んみたが、活用するソフトやハードを作れなかったので、あんまり、役にはたたなかった。

自作MMU.jpeg

下の子白いコネクタが並んでいるのは、メイン基盤に刺さっているFDDコントロールカード。
このカードの下に、MMU用のICが刺さっていたソケットが2つあって、そこに、上のカードを繋いでいる。

・リアルタイムクロック内蔵
そういえば、いちいち日時を入力するのが面倒で、こんなのも作ったような気もする。自分で設計したのか、どっかの雑誌に載っていたのを持ってきたのかは不明。

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・3.5インチフロッピーディスクドライブ内蔵
5インチフロッピーディスクドライブ 1台を、薄型の3.5インチのドライブ2台と交換、右のスイッチで、3.5inch x 2とするか、3.5inch + 5inchにするか、切り替えて使えるようにした。どう設定すれば、どうなるのかはすでに忘れた。

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・前面シリアルポート(写真中部右の丸型コネクタ) 設置

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活用できていたどうかは分からないが、前面に丸型8Pのコネクタを追加していた。
繋がっている基盤上には、NEC 71052Cとかいうシリアル用のICがあるので、多分シリアル信号用だと思われる。

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・前面拡張ポート(写真上部、RS-232-C用の25Pののコネクタ) 設置
RS-232-Cの25Pのコネクタだが、リアルタイムクロックにつなぐケーブルに直接繋いでいるので、シリアルポートではなく、S1のデータ、アドレスバスが繋がっているのではないかと思われる。

IMG_9500.JPG

・赤外線リモコンポート内蔵
とりあえず、赤外線リモコンからの信号を読み取って、波形を表示することぐらいまではできたが、それ以上は活用できなかった。
上の写真の右下の黒い穴が、赤外線の受光センサー。その横の3.5mmジャックは、赤外線信号を出力するためのポートとして使おうと思われる。
ただし、左の3.5mmジャックはまだ何も繋いでいなかった。

・前面ジョイスティックポート(写真中央左9Pコネクタ)
おそらく、ジョイスティク等をつなぐつもりで付けたと思われる。
上記の赤外線リモコンポートとともに、余っていた内蔵PIAのポートに接続していた。
一応、それらをドライブするために、全面蓋裏にも回路を忍ばせている。

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たぶん、当時、最強のマシンだったと、思います。 売れなかったかもしれませんが。

つづく・・・

■ 関連書籍
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タイトル 著者 価格 出版社 コメント
S1活用研究 2,750円 工学社 1985年10月
6809活用研究 2,750円 工学社 たぶん、これに6309の情報が載っていた。
6809ハンドブック 加瀬 清 2,800円 アスキー出版 書籍情報
PHASE 8号 600円 1984年

■ 関連しない書籍
少しぐらいは、MB-S1について記述した本があるかと思ったが、いまのところ、見つからず。
「80年代マイコン大百科」にあったような気がするが、内容説明には記述がなかった。
「負け組ハード列伝 ホビーパソコン編」が見つかったので、追記。
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タイトル 著者 価格 出版社
68000とMacintosh Toolbox詳解
Get it on Apple Books
DMM

68000とMacintosh Toolbox詳解 カラー版
柴田文彦 3000円 Rutles.inc
6502とAppleⅡシステムROMの秘密
Get it on Apple Books
DMM

6502とAppleIIシステムROMの秘密
柴田文彦 2200円 Rutles.inc
負け組ハード列伝 ホビーパソコン編
Get it on Apple Books
前田尋之 1600円 オークラ出版 S1の記述は、手元の書籍(第一刷版)では、P193〜P207まで。
iBook版のページ数は112ページになっているが、どういう、カウントなのかは不明。
80年代マイコン大百科
Get it on Apple Books
佐々木 潤 1800円 総合科学出版 いいのだが、掲載PC一覧に、ベーシックマスター系統がない。
ITRONプログラミング入門 H8マイコンとHOSで始める組み込み開発
Get it on Apple Books
濱原和明 3000円 オーム社
マイコン BASICmagazine Vol.47 250円 電波新聞社 ※「雑誌 電子工作マガジン 2020 SUMMER」の付録です。